本人に発達障害の知識があるのに、自分が当事者だと気づかない場合があります。それは一体、なぜなのでしょうか。
この一か月、そのいくつかの可能性を紹介したいと思います。また、診断を受けるべきか、そうでないかについても考えていきたいです。
今日ご紹介する気づかない理由の一つは、<本人が日常生活で困っていない場合>です。
(一般的には人間関係などに困っている人が、自分は発達障害を持っているのではないかと悩み、受診して気づくことが多いです。)
1つの例をあげてみましょう。
私は発達障害の当事者会を主催しているので、多くの発達の当事者の方に会う機会が多いです。そのため、他の人よりも発達障害を持っている人に気づきやすいのです。
「あの人は発達障害の当事者じゃないのかな?」
ある学校の校長先生は、私から見れば発達障害の当事者でした。
けれども、本人は発達障害の知識はあったもののまさか自分が当事者だとは、夢にも思っていませんでした。
なぜなら、自分が目上の立場だったので、本人は困ることがなかったからです。
ここで アスペルガの特徴のいくつかを挙げてみます。
1.こだわりが強い
2.周りと合わせれにくい
3.優先順位は自分なりに
4.好きなことならすごく長く続けられる
このような人が上司の立場の場合、部下がこの上司に合わせてしまいがちです。
さらに、日本では部下から上司に文句を言いづらい文化なので、違う考えを持っていても注意する人ことが難しいとも考えられます。
「本人が困っていないなら、別に知らなくていいでしょう」と思うかもしれません。
しかし、本人が困ってなくても、この例のように、周りに自分のこだわりと決めつけを押し付けることが多いので、周りは困ってしまいます。
次回から、気づかない理由もう一つを紹介します!